怪鳥
　下に雲海を眺め、上は晴天の高地で秋を満喫していました。
一瞬大きな羽音と思える空気の振動とともに、暗い影が周囲を覆ったのです。
前代未聞の大きな鳥を見、強い恐怖を感じました。
鳥類は自分の体の大きさに見合った凶暴性を持つからです。
足が岩肌を掠めただけでも石が弾き飛ばされます。
21世紀になって発見されたこの鳥の生態は、殆ど知られていません。
嘴、爪を見れば肉食でしょうから、警戒しなければなりませんが、物陰に隠れて見ていますと、その勇壮さに惚れてしまいます。
正に空の鯨です。

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